いろいろなコミュニティでフットサルをやっているとよく感じますが、フットサルへの向き合い方ってホント人それぞれ、千差万別です。
もちろん、みんなが趣味としてやっている中で「身体が動かせたらいいや」「たまに行く個サルが楽しいな」「自分でも人を集めてチーム作ってみるか」「やるからには点を取りたいな勝ちたいな」「チーム練習して強くなろう」「よし、1dayの大会に出てみよう」「都道府県リーグに所属してガチで勝負してみよう」というような感じでフットサルに向かっていると思います。
僕自身、これまでいくつかのチームに所属したり、チームを運営したり、個サルを開催したり.. フットサルと長く付き合ってきました。そんな中で、温度差を感じるシーンも多くありました。
前述した通りフットサルは仕事ではなく趣味なので、大前提として趣味の範囲で各々が楽しめれたら良いと思いますが、チームを作って練習するにしても、試合をして勝利を目指すにしても、方向性を決めてモチベーションを高めてという作業が必要となってきます。
しかし、その段階においてもフットサルについてポジションの役割や戦術を勉強している人は少なく感じます。僕が思うにこの状況には原因があり.. フットサルはサッカーとは違いますが、サッカー&フットサル以外のスポーツではまずやらないであろう足でボールを扱うというルールが前提としてあるため、フットサルをやろうと集まった人の中でサッカー経験者であればある程度できてしまう。草フットサルチームのレベルではサッカーをやっていた経験さえあればチームの中心選手になれてしまう。これこそが大きな原因なのではないかと思っています。
部活でスポーツをやっていた人はそのスポーツの教本を買ったことがあると思います。バレー部ならバレーの本、サッカー部の人もサッカーの本を買って読んだ事があると思います。ドラクエをするにもパワプロをするにもゲーム攻略本を買いましたよね。なぜ月に何度もフットサルをしているのに、上手くなりたいと口では言うのにフットサルの教本を読まないのか?
「月1回のフットサルがやれて、身体を動かせれたらいいや♪」というエクササイズ的な感じの方向けではなく、「これまでなんとなくフットサルをやってきたけど、フットサルの知識って勉強したこと無いなあ」という人で、今より少しでも上手くなるための知識を得たい方向けに、僕が実際に読んで役に立ったなあと思うフットサル教本を紹介してみます。
”チームに1人はフットサルを深く理解している人がいて、その人がメンバーに教える”というスタイルでもチームは強くなります。知識のある人は有難がられるのでその人のモチベーションにもなるでしょう。その有識者に、毎度毎度みんなに説明するモチベーションがあってそのスタイルが続いていくならチームとして◎でしょう。
しかし、僕がイメージする理想のチームは、文字で得られるレベルの知識は本を読むだけで得られるので各々で得る。その知識前提を持ったチームメンバー同士が、ゲーム中に発生したマークのズレや失点シーン・対戦相手に応じた対策についてチームとしての改善点を話し合う。こういうカタチだと思っています。
何度も言いますが、仕事ではなく趣味だからこそ、勝ちたい強くなりたいと思ったら、少ないチーム活動の中で上手くなるための努力が必要だと思っています。
注意点として、この記事で紹介している本は、あくまでも僕が実際に読んだことのある、というのがポイントで、僕が読んだ事がないだけでさらなる良本もあるかと思います。たくさんあるフットサル本の中であなたが自分にマッチする本に出会うために、僕のチョイスが少しでも参考になればという目線でお付き合いください。
今回紹介するのはこの2人の著書です。
- ミゲル・ロドリゴ氏
元フットサル日本代表監督(2009-2016年)⇒現タイ代表監督(2016年-) - 須賀雄大氏
Fリーグ所属「フウガドールすみだ」の監督
加えて、その他番外編として両足で蹴れるようになるための本を紹介しています。
目次
ミゲル・ロドリゴ氏
世界一わかりやすい! フットサルの授業(2012/9/24)
<目次>
- LESSON1 守備・基本編
1時限目 ボールに寄せるタイミング
2時限目 1対1でのポジショニング
3時限目 味方と連動してのインターセプト
4時限目 効率的なボールの奪い方
5時限目 スライディングをするタイミング - LESSON2 守備・プレス編
1時限目 プレスラインを設定する
2時限目 パスコースの消し方
3時限目 ドリブルで抜かれたときのカバーリング
4時限目 プレス時のピヴォでのマークのつき方
5時限目 押し込まれたときの守り方 - LESSON3 守備・カウンター編
1時限目 1対2カウンターの守り方
2時限目 2対3カウンターの守り方
3時限目 0対2カウンターの守り方
4時限目 1対3カウンターの守り方
5時限目 数的同数での守り方 - LESSON4 攻撃・基本編
1時限目 パスコースの作り方
2時限目 足裏でのボールコントロール
3時限目 得点力を高めるファー詰め(セカンドポスト)
4時限目 マークを外すフェイクの動き
5時限目 攻撃のスピードを上げるサイドチェンジ - LESSON5 攻撃・トラップ&ドリブル編
1時限目 トラップでボールを動かす
2時限目 トラップでボールを逃がす&止める
3時限目 攻撃をスムーズにするボール運び
4時限目 チャンスを作り出す突破のドリブル
5時限目 1対1を活かすためのチーム戦術 - LESSON6 攻撃・パス回し編
1時限目 パスを出して縦に抜ける「パラレラ」
2時限目 DFのライン間で受ける「エントレリネアス」
3時限目 斜めに抜けてパスを引き出す「ダイアゴナル」
4時限目 クロスしながらのパス交換「スイッチ」
5時限目 ボール保持者の外を回る「オーバーラップ」 - LESSON7 攻撃・アタック編
1時限目 前線の的にボールを当てる「ピヴォ当て」
2時限目 サイドを突破する必殺パターン「ワンツー」
3時限目 味方の突破をサポートする「ブロック」
4時限目 ブロックを外してフリーになる「ブロック&コンティニュー」
5時限目 フットサルの最大のチャンス「カウンターアタック」 - LESSON8 攻撃・シュート編
1時限目 ゴールを背にした状態からのシュートの決め方
2時限目 ドリブルで持ち込んだときのシュートの決め方
3時限目 至近距離の1対1でのシュートの狙いどころ
4時限目 ミドルシュートの決定率を上げる
5時限目 ゴールまでの奥行きをを使ったループシュート - LESSON9 セットプレー編
1時限目 キックイン①シンプルにシュート
2時限目 キックイン②コンビネーションで崩す
3時限目 コーナーキック①ニアに走り込んでシュート
4時限目 コーナーキック②後方からのボレーシュート
5時限目 セットプレーの守り方 キックインとコーナーキック - LESSON10 ゴレイロ編
1時限目 サッカーのGKとのプレースタイルの違い
2時限目 シュート時のポジショニング
3時限目 背後のスペースのカバーリング
4時限目 攻撃の起点となるスローの狙いどころ
5時限目 ゴレイロ(GK)が攻撃参加 パワープレー
この本は、正にフットサルの勉強し始めの人向けという内容になっています。
次に紹介する「フットサル戦術パーフェクトバイブル」という戦術に特化した本よりも後に発売されたので、ミゲルさん的にはおそらく「戦術について語って本売れたたけど、もうちょっと初心者向けの内容にするか」という位置づけの本なるのだろうと思います。
この本も戦術についても触れてありますが、戦術のみに言及するのではなく1対1などやボールに寄せるタイミングなどの個人戦術に関しての基本的な考え方についての記述が多くなっています。コンテンツについては、抜粋している↑の目次を見て頂ければだいたい掴めるかと思いますが.. 全10章立てで、前半(1~4章)は守備について、後半(5~8章)は攻撃について、最後にセットプレーとゴレについて、それぞれの基本的戦術がイラスト付きで分かりやすく簡潔に紹介されています。
どんな考え方でプレイをしたら良いのか?プレイの質を高めたいけど何から始めたら良いのか?といった点に応えてくれる一冊です。
※実際に”世界一わかりやすい”かどうかは読み手が決めてください。笑
フットサル日本代表監督ミゲル・ロドリゴのフットサル戦術 パーフェクトバイブル(2011/4/11)
<目次>
- 第1章 ポジション
ピヴォ、アラ、フィクソ、ゴレイロ、各ポジションの役割と特徴を把握する。
細分化された役割をしっかり押さえておく。 - 第2章 守備戦術
「前線からのプレス」と「ハーフからの押し上げ」。
2つの守備戦術によって、チームの土台が作られていく。 - 第3章 攻撃戦術
「ベースとなる動き」「戦術的な動き」「パワープレ―」といった
30のレッスンで、“ゴールを決めるための法則”がわかる。 - 第4章 リスタート
ゴールが生まれる確率が高いリスタートの場面で、
すぐに使えるコンビネーションプレーを紹介。 - 第5章 トレーニング
分析トレーニング、グローバルトレーニング、インテグラルトレーニング、
3種類の練習法がチーム強化のカギを握る。
タイトルの通り、フットサル戦術に特化した本です。
守備の時にどう動いたら上手くディフェンスできるの?攻撃の時は?といったチームの中での動き方ですね。
フットサルを勉強し始めの人は、一読しただけでは理解が難しい内容もあるかと思いますが、この本には重要なエッセンスが数多くありますので、読み込めば読み込むほどに理解が深まっていく長く付き合える本だと思います。守備戦術・攻撃戦術に分けて書かれていて、初心者にありがちなプレイ中の迷子になるのを解消してくれる内容です。
また、メインは戦術の本なのですが、導入部分には、システム(フォーメーション)やポジションについての紹介もあります。ポジション毎の説明では、ポジションだけでなくどんなタイプのプレイヤーがいるかといった、ポジションの基本的な役割とタイプ別の役割が分けて書かれている点が勉強になりました。こんなタイプのPIVO(ピヴォ)もありなんだな!このスタイルだったら自分にもできそうだ、これを目指そう!と確認することができました。
トレーニングの章には(ボリュームはそこまで多くないですが)具体的な練習メニューも載っています。 具体的な練習メニューを知るというよりは、トレーニングの考え方を学ぶといった色が強いですね。
須賀雄大氏著の本
日本一監督が教える フットサル速効マニュアル100 ~試合前だけじゃなく試合中にも使える劇的アドバイス付~(2009/10/15)
<目次>
- 第1章 知られざる勝利の法則!! 準備編
集合は1時間前
選手交代は紙に書く…他 - 第2章 失点が驚くほど減る!! 守備編
ボールラインまで下がる
横パスを出させる…他 - 第3章 面白いように点が取れる!! 攻撃編
1対0を作る
相手にボールを持たせる…他 - 第4章 簡単、便利、すぐできる!! セットプレー編
花火
すれ違い
ケブウラ…他 - 第5章 チーム力倍増計画!! トレーニング編
指差しパス
口笛シュート…他 - 第6章 困ったときのマル秘テク!! 裏技編
マネージャーの嘘
田んぼにクリア…他
この本は僕が一番最初に買って読んだフットサル教本です。アマゾンの購入履歴で確認すると、2009年にこの本が発売された2ヵ月ほど後に出会って購入していました。
「1デー大会の攻略法」といったテーマがあり、そのテーマに沿ったポイントがまとめられています。
実際に、僕がフットサルの大会に臨むにあたって効果を発揮した内容も数多くあり、試合前の集合時間の話や、(よくありがちですが)いざ試合になると迷ってしまったり出番の多い少ないで不平が出がちな選手交代についての対策や、チームで意識を統一させたいディフェンス時のルールといった内容がためになったなと感じました。
8年前に読んだ本ですが、今なお僕の考え方の根底になっている事もありますし、ゴチャゴチャ書かれていなくてスッキリと読みやすいので、フットサルの本を読み始める取っ掛かりとして、チーム活動をし始めて勝ちたいなと思ったタイミングで読むのが効果的だと思います。
フットサルで日本一になったチームが本当にやっている14の秘訣(2014/12/1)
<目次>
- フットサルで日本一になったチームが本当にやっているドリブル新理論
01 動かす、蹴る
02 「門」に運ぶ
03 DFと正対する - フットサルで日本一になったチームが本当にやっているパス新理論
04 パスはスペースに出す
05 リターン理論
06 アシストはダイレクトで出す - フットサルで日本一になったチームが本当にやっているシュート新理論
07 ずらし・ドン
08 PKと第2PKの間で打つ
09 正面詰め - フットサルで日本一になったチームが本当にやっているディフェンス新理論
10 ディフェンスは飛び込め
11 顔を見る - フットサルで日本一になったチームが本当にやっている戦術新理論
12 角をとる
13 とりあえずリスタート
読んだ感想としては、チームメンバー全員がどう動くか?というよりは、個人のプレイの選択肢を増やしてくれるといった意味合いが強い本だと言えると思います。ドリブルでどうボールを動かすか、パスをどう出すか、シュートをいつのタイミングでどう打つかといった感じ。そして、その動きを練習するための具体的な練習メニューといったトレーニング方法についても併せて紹介されています。
個人的に感銘を受けたのは、ディフェンス新理論の「ディフェンスは飛び込め」という教え方です。僕はディフェンスに苦手意識があるのでこの考え方は勉強になりました。まさに「新理論」だなと。
ある程度は基本的な戦術も知識としては頭に入ったけど、他のプレイヤーと差別化したいというタイミングで読むと効果があると思います。
その他番外編
フットサルというスポーツを体系的に学びたいと思ったらミゲル氏、須賀氏の著書がおすすめですが、体系的に学ぶ他にもフットサルのパフォーマンスを上げるために出来る事はたくさんあります。
そういう意味で僕が読んでためになった番外編として1冊ご紹介したいのがコチラの本です。
両足キッカーを目指せ!! -フットサル&サッカー1週間で右も左も自由自在-
僕は、フットサルにハマって以来、ゲームを数多くやってきましたが、最初のうちは上手くなっていくのが自分自身でも分かって楽しかったフットサルも、そのうち思うように点を取れなくなってきました。
特に、地方のフットサル界なんて狭いので、個サルなんかでよく顔を合わせるようになったりチーム同士のつきあいが増えてくると、最終的に僕が右足でシュートを打つ(右足でしか打てない)事を知っているので、DFの左(向かって右)にドリブルで抜きたい気持ちもバレますし、右足のシュートをケアして来ます。県リーグでプレイしていた時も、全員が真剣にプレイしている中で、シュートチャンスなんか1試合で数回あれば良い方です。
そんな中で、シュートできるの利き足だけでいいのか?いやいやダメだよな。。という考えに至り、どうにかしたいと思考錯誤するなかで出会ったのがこの本です。
内容はポイントを抑えて書かれていて大きく3つのポイントと簡潔にまとめられています。”両足キッカーを目指せ”というタイトルですが、ボールを上手に蹴る目的の内容なので、(例えば)右利きだけど右足もまだままならないという初心者向けでもあります。
さて、逆足でも同じ精度でシュートが打てる自分を想像してみてください。もしそうなれば単純に得点能力が2倍になるような気がしますよね? ですが僕が思うにおそらく2倍には留まらず、それ以上になると思っています。
これまで右足のシュートだけケアしていたディフェンスが左足でのシュートも警戒しなければならなくなる事で、そもそも右足でシュートにいけるチャンスが増えます。そして、DFのどちら側に突破してもシュートまでいけるという自信を持ってプレイできる状況であるため、ドリブルでのDFの揺さぶり方にも幅が生まれます( ・ㅂ・)و ̑̑
まとめのヒトコト
今回は、フットサル教本で僕が読んでおすすめ出来ると思った本を番外編もあわせて計5冊紹介しました。いかがだったでしょうか?
勉強し始めという点では、まずはミゲル氏「世界一わかりやすい」と須賀氏「フットサル速効マニュアル100」が簡潔でわかりやすい内容になっているので、取っ掛かりとしては特にこの2冊をおすすめします。
フットサルのパフォーマンス向上につながる本やトレーニングがあればまたご紹介しようと思います☻Enjoy footsal!!